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今回のテーマは『なぜ離婚事件で弁護士が必要なのか』です。
裁判所における離婚手続は一見簡単そうですがあちこちに落とし穴があり一筋縄ではいきません。
よくある典型的な相談例をベースに弁護士に依頼するメリットを解説しますのでぜひご一読下さい。
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相談者: 先生! 夫と離婚しようと思うのですが、今後の流れと注意すべき点を30分以内に教えて下さい。
私:わかりました。まず離婚したいと考えたきっかけを教えて下さい。
相談者:夫のモラハラです。何かあるとすぐ大声で怒鳴ってくるし、生活費も十分に渡してくれないので毎月カツカツです。もう耐えられません。
慰謝料を請求してさっさと別れたいです。あ、子供もいるので養育費も欲しいです。
【離婚事由についての落とし穴】
・相手に離婚意思がない場合に離婚するには法定の離婚事由(民法770条1項各号)が必要ですがいわゆるモラハラのみではこれに該当しませんのですぐには離婚できません。
・いわゆるモラハラのみでの慰謝料請求は困難です。
私:それでは法定の離婚事由を満たすために別居することをオススメします。別居後は直ちに婚姻費用の分担請求調停を申し立てるといいでしょう。
相談者:あ、それは知ってます。裁判所の公表している婚姻費用算定表ってやつに年収を当てはめるだけですよね。
【婚姻費用についての落とし穴】
・年収2000万円(算定表の上限)を超える場合にどう考えるか。
・最近は副業で株や不動産、その他自営業的なビジネスをやるサラリーマンも多いがその場合に収入をどう考えるか。副業が赤字の場合は?
・自営業の場合に年収をいくらと考えるか。
・すでに生活費をもらっているようなケースでは正式に婚姻費用を請求することで金額が減ってしまうような事案もあるので調停を申し立てるかどうかについても検討が必要。
・子供の習い事や私立学校の学費などの修正要素をどう考えるのか。
・各自が立替えている分の清算をどう考えるか。
・相手がローンを支払っている住居にこちらが住む場合にローンの支払いをどう考えるか。
・調停委員はあくまで司会進行であってこちらの手助けをしてくれるわけではなく、むしろ細かい(重要な)問題を無視して合意を勧めてくる傾向がある。
※以上はほんの一例に過ぎず、これらが問題になると通常の裁判のような主張書面の激しい応酬になることもあり、婚姻費用の調停が本人だけで簡単にできるというのは誤解だと思います。
相談者:離婚調停ってどんな流れで進むんですか?
私:離婚の障害になっている争点(財産分与、慰謝料(解決金)、親権、面会交流、養育費)を順番に潰していって最終的に合意できれば調停離婚成立です。この段階であれば通常の協議離婚と同じなので戸籍に裁判離婚であることが書かれたりはしません。
相談者:財産分与って財産を半分に分けるだけですよね。自分でもできそうかな。
【財産分与の落とし穴】
・対象財産はこちらで調査して特定しなければ最終的に無かったものとして扱われてしまうので財産分与がもらえなくなってしまうが、夫側からすんなりと開示されるケースは珍しく工夫が必要。
・ローン付き不動産の財産分与などは計算方法が複雑。
・夫側は婚姻前から有していた財産だから財産分与の対象にならないという主張をしてくることが多いのでしっかり反論しないと最終的な金額が大きく目減りする。
・不動産や株式などその評価額が問題になる財産では金額が大きく争いになることも。そもそも評価の基準時っていつ?
相談者:夫は親権を欲しがってないし、養育費は婚姻費用とほとんど同じみたいですしこの辺も問題ないですね。ありがとうございました。
【子どもに関する事項についての落とし穴】
・別居までそんなそぶりがなくても男性側で親権を欲する方は多い。
いざ問題になると家庭裁判所の調査官が入っての調査等手続が大変。
・親権がこちらだとしても面会交流をする必要はありますがその頻度や回数についてもすんなり決まるとは限らない。
・養育費については婚姻費用と同じこと+養育費独自の争点もあってすんなり決まるとは限らない。
以上
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以上は架空の事例であり、実際ご相談いただいた方にはそれぞれの問題点と回避方法をお伝えしております
のでご安心下さい。
相手方本人や調停委員と直接やりとりするだけでも大変ですがそれに加えて以上のような法律問題について即時に検討するのは難しいと思いますので離婚事件について弁護士に依頼するメリットは大きいと思います。
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