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詐欺的な勧誘の見分け方を実体験を交えつつ解説した記事です。
今回のテーマは『詐欺的な勧誘の見分け方』です。
新型コロナウイルスの影響で収入が低下する方が多い中、一見するとおいしい儲け話でお金を巻き上げられる方が増えています。
今回は私が多くの相談を受けてきた中で、「こういうケースはヤバい」というのをまとめてみました。
この記事を参考に騙されないように注意してもらえればと思いますが、もし騙されてしまっても
事案によっては回収可能なケースもあるのでご相談頂ければと思います。
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相談者: 先生!最近知り合いから儲かる副業の話を持ちかけられるのですが怪しい気がします。大丈夫でしょうか?
私:投資やビジネスにリスクは付き物ですが、「こういうケースはヤバい」というものが私の経験上あって、それに該当するのであれば断るべきだと思います。
相談者:具体的に教えて下さい。
私:まず、お金の振込口座が契約書の当事者と異なるというのが挙げられます。例えば、契約は株式会社○○名義なのに、振込先が個人名の場合などです。
特に、その個人名が契約締結の場にいない方の場合は特に危険です。
相談者:どういうことですか?
私:ビジネスを法人名義でやる場合、法人名義の預貯金口座が必須になってきますが最近は銀行の審査がとても厳しくて、簡単には口座が作れません。
そこで、会社としての実態が無いのに現在口座開設の手続中であるなど、適当な理由を言って営業担当者の個人名義の口座に振込ませようとしてきます。
また、担当者の独断のヤミ営業である可能性もあります。
さらに、口座の名義人が契約締結の場にいない人の場合、借金で首が回らなくなった人などから口座を違法に買い取った物である可能性があります。
そのような口座に振込をしてしまうと回収可能性が極めて低くなります。
そういったケースでは担当者がLINEなどカジュアルな方法で連絡してくる点も特徴だと思います。
相談者:契約書の有無はなにか基準になりませんか?
私:もちろん契約書が無い取引は論外ですが、契約書があるから安心というものでもありません。以前、マルチ商法の良く作り込まれた契約書を見ましたが、調べてみると代表が逮捕されていたので契約書の有無やその出来を基準に信用できるかを判断するのは止めた方が良いです。
特にマルチ商法の勧誘パンフレットには、特商法などの問題はクリアしてるから安心!などと謳っているものが多いですが信じてはいけません。
相談者:他にはなにかありますか?
私:勧誘や契約締結の場として会社や事務所ではなく、喫茶店やレンタルオフィスが使われれるケースです。違法業者はアシがつくので事務所など構えないケースが多いからです。
個人的に気をつけて欲しいなと思うのは、都心のオシャレなレンタルシェアオフィスのような場所の雰囲気に流されてその場でお金を払ってしまうようなケースです。
相談者:私の場合、知り合いから別の方を紹介すると言われています。何か気をつけることはありますか?
私:仲介者がいる場合も要注意です。例えば一時期流行した、投資用ワンルームマンションの売りつけ商法では、細かいやりとりは仲介者が行うのですが、その仲介者が契約者と別だと契約解除が第三者に主張できるのかという問題が出てきます。
例えば、絶対儲かると言われて時価1,000万円のマンションをローンの利子含め1,500万円で買わされたケースで、全く関係ないところからお金を借りている場合、そのローン契約を取り消すことは難しいのです。
違法業者は非常に賢いのでこのようなトラップを幾重にも張り巡らせます。
相談者:その他にはありますか?
私:金融商品や投資系の話で多いのですが、「絶対儲かる」や「元本保証」は100%詐欺です。元本保証は出資法違反で刑罰も科されますし、絶対儲かるなどと言うのは消費者契約法の不実告知などに該当して契約を取り消せます。
また、株の売買では金商法の適合性原則も問題になり、より厳重な法規制がされています(※例えば、高齢のお年寄りに十分な説明の無いまま株を売った結果、その株が暴落した場合、売った人(証券会社など)は損害賠償責任を負う可能性があります。)。
しかし、非常に多くのケースでこの「絶対儲かる」や「元本保証」といったフレーズに騙される方をお見かけします。
相談者:仲のいい人が絶対儲かるなどと言ってきたら信じてしまいそうです。そういえば、最近流行っている競馬ですが、AIで絶対儲かるシステムがあると言われました。本当でしょうか?
私: 普通に考えてそんなウマい話は無いでしょうし、あったとしてもあなたに紹介するメリットが無いと思います(競馬は当選者が多くなればなるほど配当が減ります)。
そのような話で数十万円を騙まし取られたという話は割と聞きますが、こういったサービスは一応商品やサービスの提供もあるので法的に取り消すのも難しいです。
相談者:そういえば先生は以前クーリングオフについて非常に強力な手段だと話していましたよね?最悪損をしたらクーリングオフすればいいのではないですか?
私:何でもかんでもクーリングオフの対象になるわけではないというのは当ブログ『クーリングオフは最強のカード』でもお話しした通りです。また、クーリングオフしても回収できるかは別の話です。
そもそもクーリングできる類型のビジネス(訪問販売やマルチ商法)はあまりにも儲かるのでがんじがらめに法規制がされたものです。したがって、現在では訪問販売やマルチ商法を適法に行うことはほぼ不可能となっています。
以前当ブログでもご紹介しましたが、クーリングオフできる類型のビジネスの誘いであれば無条件で警戒すべきです。
相談者:楽して儲けるのは難しいということですね。ありがとうございました。
以上