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別居中の児童手当はどちらが受け取る?口座変更の手続きを解説

離婚

【2026年7月8日最終更新】

今回のテーマは離婚前提で別居開始した場合にどのようにすれば児童手当の振込先口座を変更できるのかというものです。
自治体ごとに微妙に取り扱いが違うので詳しくはご自身のお住まいの役所にお尋ねいただきたいのですが、全体的に共通する部分をご説明いたします。


1 事案の概要

先生!夫と離婚しようと思って別居したのですが、別居後も児童手当が夫の口座に振り込まれ続けています!どうすればいいでしょうか?

まず児童手当の制度概要から確認していきましょう。

2 児童手当とは

児童手当とは子が18歳になる歳の3月まで毎月1万円(3歳未満は1万5000円)もらえる制度です。
詳しくはこども家庭庁のHP(←クリックでリンクへ)をご参照ください。
令和6年10月より所得制限が撤廃され支給期間が延長されるなどの法改正があったので児童手当をどうするかは多くの事案で問題になっています。

受給者は生計の中心になっている者なので、ご相談の事案では収入の高いご主人の口座に振り込まれているのでしょう。

ちなみに東京都では018サポートといって、児童手当に追加して月5000円もらえる制度がありますが、別居後の取り扱いは児童手当とほぼ同じです。

こども家庭庁のHPによれば、別居後は子を監護している親が受給できるとありますね。
私が受け取るにはどうすればいいのですか?

大前提として以下の条件が必要です。

3 受給者変更の要件

以下を全て満たすことが必要です。

①離婚を前提に配偶者と住民票上別居していること。

→配偶者によるDVやストーカーにより住所を隠して別居しないといけないケースで問題になります。

②新たに受給者になろうとする者が対象児童と住民票上同一世帯であること

③離婚協議中であることを客観的に確認できる書類を提出できること

私は特に別居先は隠していないですし住民票も移したので問題なさそうです。
③の必要書類とは何ですか?

ここは自治体・担当者ごとに微妙に違うように思いますのでご自身のお住まいの役所でご確認いただきたいですが、概ね以下の書類があれば大丈夫です。

4 受給者変更手続の必要書類

以下のいずれかの書類で受理してもらえることが多いです。

①裁判所が発行した離婚調停又は裁判に関する書類

※裁判所での離婚調停の正式名称は夫婦関係調整調停ですが、これは円満調停も含まれるため請求の趣旨等で離婚調停であることまで確認できないと受理されないのは要注意です(以下①〜③全てで同じです)。

・調停期日呼び出し状(※相手方の場合にのみ受け取る書類)
・裁判所の受付印のある離婚調停申立書・訴状の控え
・調停不成立証明書の写し

重要なポイントとして離婚調停に関するものでなければダメなので先行して婚姻費用の調停のみを申し立てている場合は変更手続きはできません
また、現在東京家裁は申立書の控えに受付印を押さない運用に変わってしまったので離婚調停申立人側だと裁判所からの資料を用意することは難しい状況です(東京以外だとまだ受付印対応のところも多い印象です)。

②弁護士作成の離婚協議中であることがわかる書面

・弁護士による職印の押された調停期日報告書等
・弁護士による配偶者に対する交渉書面等

いずれも日付・当事者の氏名・弁護士の情報・離婚についてのやり取りをしていることが明らかかなどの条件を満たしていることが必要ですが、弁護士作成の書面のみで認められるのはありがたいですね。

③本人による相手方への離婚協議申し入れの内容証明郵便

これは自治体によると思うので事前にご確認ください。こういった書面を相手に出すことによるデメリットもあるので事前にご相談いただければと思います。

今回は①裁判所からの調停の呼び出し状で対応できそうです。
ところで変更手続完了前の児童手当はどうなるのですか?

5 変更手続完了前の児童手当の取り扱い

別居後から変更手続完了までの児童手当については、監護親(=相談者)に受給権があるので、配偶者に対して引き渡しを要求すれば普通は応じてもらえます。

(1)児童手当法の法解釈

複雑なので本件に関係する部分だけ簡単に説明します。
児童手当法4条1項1号は、児童手当は、支給要件児童を監護し、これと生計を同じくする父母等であって日本国内に住所を有するものに支給すると定めています。
同法4条3項で、父母等2名以上の者が、児童を監護し、生計を同じくするときは、当該児童は父もしくは母いずれか当該児童の生計を維持する程度の高い者によって監護され、かつ、これと生計を同じくするものとみなすとあります。

夫婦の同居中に収入が高い方に児童手当が振り込まれるのは4条3項が根拠なんですね。

ただし、同法4条4項で、児童を監護し、生計を同じくする父又は母のうち、いずれか1名が児童と同居している場合、当該児童は同居している父又は母によって監護され、かつ、これと生計を同じくするものとみなすと規定されています。

つまり、子連れ別居をした場合、子を連れている方が受給権者とみなされます
よって、別居後に婚姻費用だけを請求するような事案では、役所で児童手当の振込先変更は受け付けてもらえないが、児童手当の受給権は発生しているという状態になります。
おそらく、役所としては微妙な判断はできかねることと、頻繁に口座変更されるのは煩雑なので、画一的判断のしやすい上記4の書類がないと振込先の変更には応じないという対応なのだと思います。

(2)相手に対して引き渡しを粘り強く交渉

金額が大きくない上に、その後に離婚等の交渉も控えているわけですから普通は交渉で支払いに応じていただけます。

(3)応じてもらえない場合に別途訴訟までするかどうか検討

この場合、別途訴訟までするか、他の部分で調整をかけるかなどさまざまな観点から検討することになります。
詳しくはご依頼いただいた場合にご説明いたします。


以上

離婚に関するお問合せは世田谷区二子玉川所在のふたこ法律事務所までお願いいたします。

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