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mintsで訴状を提出する際の注意点|弁護士が実務目線で解説

民法研究

今回のテーマは2026年5月より弁護士に利用が義務づけられたmints(ミンツ)というWEB申立システムを弁護士が実際に利用してみた際の注意点です。
弁護士でなくてもmintsを利用することはもちろん可能ですが、ハッキリ言って非常に評判が悪いものなので、実際にどんな感じなのかを解説していきたいと思います。

なお、現在新システムのTreees(ツリーズ)が開発中で2028年1月より名古屋地裁等で先行運用が開始されます。

mintsはTreees開始までのつなぎなのですが、Treeesも評判が悪くてどうなることやらといったところです。


1 事案の概要

先生!mintsってシステムで訴訟のWEB申立をしてみたいので教えてください。

結論からいうと、弁護士以外は利用を強制されないので従来通り紙で出した方がいいと思います。
mintsがイマイチ使いにくいという点を順番に説明していきますね。

2 アカウント作成

まず、アカウントを作成します。
弁護士であれば一斉登録で簡単にできましたが、個人の方が行うのはそれなりに手間です。

3 訴訟の申立

アカウント作成後、ホームページにログインして必要事項を入力していきます。

これまでは「訴状」を作って提出していましたがmintsだとホームページに必要事項を入力する形式に変わったのですか?

実際は従来の訴状をアレンジしたものを添付することでホームページに入力する手間を省くのが一般的なやり方です。

(1)訴状作成の注意点

①訴状別紙の当事者目録は直接入力なのでカットする。
(ただし当事者多数の場合は直接入力できないので別途一覧を作成して添付。)

②印紙・郵券の額を冒頭に記載するのがこれまでは一般的でしたがWEB申立だと合算した金額を後で通知されるので訴状には書かない方が無難。

③請求の趣旨、請求の原因は従来通りでOK。

(2)WEBフォームへの入力の注意点

①当事者に法人が含まれる場合、法人番号の入力を求められる。
添付資料として法人の代表者事項証明書も必要なのでそこに記載の番号を書くのかと思いきや、国税庁の13桁の番号を調べて入力する必要がある。

②申立時に記載するメールアドレスはMicrosoftのTeamsアカウントのものでなくてOK。
申立後に進行照会の書式が送られてくるのでそこにTeamsアカウントのメールアドレスを記載する。

③住所はハイフンも含めて全角だが項目によっては半角記入のところもある。半角か全角か明示されていなくて、エラーとだけ表示されるので不親切。

(3)書類提出の注意点

訴状、証拠説明書、委任状、代表者事項証明書、証拠については原則PDFにしてホームページにアップロードする方法で提出しますが、以下の注意点があります。

①Macでやる場合、ファイル名に濁音が入っているとエラーになります。
Xでそういうポストを見かけて半信半疑でしたが、修正したら受理されたので現時点ではそういう仕様なのだと思います。
(例:ドライブレコーダー、コーティング施工証明などは証拠の表題として不適当なので置き換える必要が出てきます。)

②最初は訴状、委任状、資格証明書だけをアップロードします。
証拠をアップロードしてはいけません。
1週間程度で事件が紐付けされるので、その後に証拠説明書と証拠をアップロードします。

③事件を紐付けされた後に訴訟費用を振り込みますが、私の場合、振込期限が通知から5日程度しかなかったので通知を見落とさないように要注意です。
インターネットバンキングからPay-easyで簡単に支払えるのでこの点は従来より便利です。

④証拠説明書と証拠はアップロードした後、ダウンロードして印刷して被告の数だけ裁判所に郵送する必要があります。ドライブレコーダーなどのデータはDVD等に焼いて郵送です。

この点が一番ダメですね。WEB化したのに結局紙ベースで印刷するのであれば全く便利になっていないと思います。

4 その後の流れ

事件を紐付けされると進行照会書というのが送られてきて、必要事項を記入の上送り返します。
和解の希望なども記入欄があります。

初回期日の調整は証拠提出後に書記官から電話がかかってきて直接やりとりということになります。
期日決定後は従来のように期日請書を出せと言われなくなりました。

初回期日以降は従来通りMicrosoftのTeamsで進行していきます。

5 不満点

あんまり便利そうじゃないですね。

私の感じた不満は以下の通りです。

①申立から、事件の紐付け、被告への送達までが遅い。
→私のケースではそこまで遅いとは感じませんでしたが、同業者の意見だと従来より遅くなるケースが多いようで問題視されています。解決までの時間に直結するので改善を求めます。

②様々なエラーの発生
→上記のMacだとファイル名に濁音が入っているとエラーが出る、というのは自力では発見できないと思います。
入力していてわかりにくい、不親切と感じるプラットフォームでした。
同業者からも謎のエラーが出て進まないという声をよく聞きます。
また、システム自体がダウンしていてログインできないこともあって問題です。
さらに、PDFの設定でもアップロード時にエラーが発生するようで専用ソフトを購入するなどの工夫が必要です。

③結局のところほとんど便利になっていない
→正直言って、申立は紙ベースの方がシンプルですし情報漏洩の観点からいってもむしろ優れているのではないかと思います。アップロードした映像データをわざわざDVDに焼いて送るというのはナンセンスです。

6 従来より良くなった点

一番はこれまで裁判所に行って謄写する必要があった期日調書等を自由にダウンロードできることだと思います。
(期日調書には期日で発生した特筆すべき出来事が記載されています。)

他にはちょっと思いつきません。

7 弁護士として意識すべき点

裁判官は、書面について今後は紙ではなくPDFのみを閲覧することになります。
PDFだと紙より頭に入ってこないなどという話もありますが、長すぎる書面や証拠は読み飛ばされる危険が高まるように思いますので証拠の厳選等がより重要になっていくだろうと思います。


以上

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