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離婚成立後に子の戸籍・苗字について妻がやるべき手続

今回のテーマは離婚成立後に妻側が子の単独親権者となった場合に、子の苗字を妻と同じにして、子を自分の戸籍に編入する手続きの流れです。

結構複雑ですが、結局は書面を出すだけなので弁護士が代理する意味はあまりなく、ご自身でやっていただくことが多いので説明用にまとめてみました。


事案の概要

先生!依頼していた離婚事件がようやく終わりましたね。私は妻なので旧姓に戻します。親権を獲得した子の苗字を私の旧姓にして子を私の戸籍に編入させるにはどうすればいいですか?

順番に説明していきます。まずは相談者様(妻)の苗字と戸籍です。

妻の苗字と戸籍

(1)苗字について

まず、何もしないと離婚により妻は旧姓に戻ります(民法767条1項)。
ただし、離婚から3ヶ月以内に届け出れば婚姻時の姓を継続して称することもできます(戸籍法77条の2)。
この場合にやっぱり旧姓に戻したいと後から思っても裁判所の許可が必要で必ず認められるわけではないので慎重に考えましょう。

(2)戸籍について

原則として結婚前の戸籍に戻りますが、自分が筆頭者の新たな戸籍を作ることもできます。
後述するように子を自分の戸籍に入れる場合は新たな戸籍を作ることになります。
婚姻時の姓を継続して利用する場合は新たな戸籍が作られることになります。

私の場合は旧姓に戻します。新たな戸籍を作ることにします。

離婚後の子の戸籍の移動について

子の戸籍は、親権者がどちらかにかかわらず、離婚時の筆頭者の戸籍に残ります。
本件では夫側です。

そこで、妻が子を自分の戸籍に入れたい場合、家庭裁判所に子の氏の変更許可の申立をし、その許可の後役所へ入籍届を出す必要があります。

子の氏の変更許可の申立について

(1)申立人

子が15歳未満であれば親権者(本件で言えば妻)。
子が15歳以上であれば子自身です。

(2)必要書類

①両親離婚後から現在までの全ての子の戸籍謄本
②離婚後から現在までの全ての母の戸籍謄本

※離婚から年数が経過すると必要書類が増える可能性があるようです。
詳しくは申立裁判所にお尋ねください。

(3)管轄裁判所

子の住所を管轄する裁判所。

(4)その他

申立書の書式は裁判所のHPにアップされています(※リンク参照)。
申立費用として収入印紙800円分が必要です。

まとめ

結局私は役所に離婚届を提出する際に新戸籍を編成して、戸籍の変更が反映され次第、自分の戸籍謄本と子の戸籍謄本を取得。
その後、裁判所のHPにある子の氏の変更許可申立書を記載して、郵便局で収入印紙800円分を購入し、戸籍謄本を添付して子の住所を管轄する家庭裁判所の事件係に申し立てればいいということですね。

以上


ちょっと聞きなれない単語が並びますが、最後のまとめのところを見ていただくとわかるようにやることはシンプルなのですぐにやってしまうのがいいと思います。
具体的な手続きの詳細等は役所や裁判所にお尋ねください。

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